東京では梅雨明けこそまだであるが、蝉の声が日に日に大きくなっている。
そんな夏に向かって気分も明るくなる時期&ホームページリニューアル直後にこのような話をしなければならないのは大変心苦しいのだが、ここ最近その恐怖を胸にしまい続けてきた私(黒井)の身もそろそろ限界である。
どうか私の話を聞いていただきたい。
そう、これはなにも昨日今日に始まったことではない。これが一体いつ始まったのか、考えただけで体が震える。
・事の発端
今期から株式会社いわいが導入した「オフィスカジュアル」。
某赤文字系ファッション誌のアンケートではオフィスカジュアルについて、
1位 「暑さや寒さをしのぎやすくなる」
2位 「動きやすく仕事の能率が上がる」
3位 「会社でもオシャレを楽しめるようになる」
と肯定的な声が挙がっている。
体調管理が出来、仕事効率が上がり、オシャレまで楽しめる。
ある種のニューノーマルである。
たがそこに潜む闇に騙されてはいけない。
・起きる異変
いつものように出社し、業務を行っていると、私は不吉な気配を感じ取ってしまった。
ああ~、やっちゃったな~。やだな~、怖いな~。しかし人間、一度感じ取ってしまったら確認せずにはいられない。
やめられないとまらない。まるでかっぱえびせんである。あ~怖いな~。でも見たいな~。
恐る恐る気配のする方へと顔を向ける。
すると……そこにいるのは、この春晴れて主任に昇格した野口と所長の井上である。
あれ?いつもと変わらない事務所の光景だ。
しかし……なにか嫌な感じがする。
何かあるなぁ……。二人の間に何かありますよこれは……。ああ~やだな~、怖いな~。私は意を決して二人の姿を凝視する!
すると次の瞬間、背筋に冷たいものがザザーッと走ったのである。
シミラールック(緩めのペアルック)だ。なんとこの2人、シミラールックだったんです。上がネイビーのTシャツに下は黒スキニー。
おまけに背格好までそっくりの2人。
ああ~やっちゃったな~。被っちゃったな〜。
オフィスカジュアルあるあるである。
そう思いながら辺りを見渡しても、気付いているのは恐らく当事者と私だけ。やだな~、怖いな~。なんだか気味が悪いや。
……その後? もちろん業務を続けましたよ。ミスがないよういつもより念入りにね。ええ。
・迫りくる恐怖
私の背中は、汗でびっしょりだった。
それが只ならぬ雰囲気のせいなのか、夏の暑さのせいなのかは分からない。だが、仕事に集中することで、体にまとわりついていた不気味さから解放され、えも言えぬ清々しい気分だ。
……その時、びっしょりとかいていたはずの汗が一気に引いていくのを感じた。本来あるはずのない光景が、私の目の前に広がっていた。
そう、2人はあろうことかフュージョン(鳥山明 著 DRAGON BALL参照)を始めたのである。
汗だけでなく、血の気も引いていくのを感じる。
いくら野口のブラザー(入社時の教育担当)が井上だったとはいえ、シミラールックに加えてオフィスでのフュージョン…。
ちなみに背格好、何なら性別さえ異なっている経営企画推進課長であるところの植木、同係長の熊田もフュージョンしていた。
トランクス(未来)風に言えば、「……みんな いったい なにと戦ってるんだ……⁉」である。
敬愛する上司達が繰り出すこの衝撃的ムーブから逃れる術を、今の私は持ち合わせていない。
身も心も一つにしなければ成功しないフュージョン。
その結果を知りたい方は………おっとこんな時間(AM1:52)に誰か来たようだ